子どもが英語動画配信で単語を習得するには、動画を長時間見せるよりも、短い動画を繰り返し見て、単語の意味を確かめ、実際に使う流れを作ることが大切です。年齢や英語経験に合う動画を選び、1回に扱う単語を絞ると、覚えたかどうかも確認しやすくなります。
英語動画配信だけで単語を習得できる?
英語動画配信は、単語の音や使われる場面を知る教材として役立ちます。ただし、動画を流しているだけで、すべての単語を確実に覚えられるとは限りません。
子どもが単語を習得するには、次の3段階が必要です。
- 動画の場面と音から、単語の意味を推測する
- 同じ単語を何度も聞いて、音と意味を結び付ける
- 指さし、発話、会話などで自分でも使う
たとえば、動物が出てくる動画で「cat」を聞いた場合、猫の映像を見ながら音を聞くと、単語と意味を結び付けやすくなります。その後、保護者が「Where is the cat?」と尋ね、子どもが指さしたり「cat」と答えたりすると、受け身の視聴から学習へつながります。
子どもが単語を覚えやすい英語動画の選び方
動画は、子どもが内容をある程度理解でき、同じ表現が繰り返し出てくるものを選びます。難しすぎる動画では、単語の音と意味を結び付ける前に視聴をやめてしまうことがあります。
身近なテーマの動画を選ぶ
最初は、次のような生活に近いテーマが向いています。
- 色、数字、動物
- 食べ物やおもちゃ
- 体の部位
- 着替え、食事、歯みがき
- 公園や買い物などの身近な場面
子どもが日本語でも興味を持つテーマなら、英語の意味を推測しやすくなります。好きな乗り物やキャラクターなど、本人の関心を優先してもかまいません。
短く、表現の繰り返しがある動画を選ぶ
1本の中に多くの単語や会話が詰め込まれている動画より、同じ単語やフレーズが何度も出てくる動画のほうが復習しやすい傾向があります。
動画を選ぶときは、次の点を確認します。
- 映像を見れば場面の意味を推測できるか
- 音声が聞き取りやすいか
- 同じ単語や表現が繰り返されるか
- 子どもの英語経験に対して難しすぎないか
- 字幕、音声、広告などを保護者が設定できるか
字幕は便利ですが、初めから日本語字幕だけに頼ると、英語の音を聞く時間が減る場合があります。子どもの年齢や目的に合わせ、字幕なし、英語字幕、日本語字幕を使い分けます。
英語動画で単語を習得する具体的な手順
動画を見る前後に短い働きかけを入れると、単語を覚える機会を増やせます。次の順番で進めると、視聴が単語学習につながりやすくなります。
- 動画から扱う単語を少数に絞る
1回の視聴で覚えさせる単語を、動画の内容に合わせて数語に絞ります。たとえば動物の動画なら、cat、dog、birdなど、場面に登場する単語を選びます。 - まずは説明せずに動画を見る
最初から日本語訳をすべて伝えず、映像、動き、表情から意味を推測させます。子どもが内容を楽しめているかも確認します。 - 気になる場面を止めて音を聞く
対象の単語が出たら、動画を一時停止してもう一度聞きます。保護者が単語を短く発音し、子どもがまねできるようにします。 - 映像や実物と単語を結び付ける
「Where is the dog?」と聞いて画面を指さしてもらう、実物のボールを見せて「ball」と言うなど、音だけでなく意味も確認します。 - 同じ動画を日を空けて見直す
初回に覚えられなくても問題ありません。翌日以降に同じ場面を再び見て、聞き取れる単語や反応できる単語が増えたかを確かめます。 - 動画の外でも単語を使う
食事、遊び、着替えなどの生活場面で、動画に出てきた単語を使います。子どもが言えない場合は、指さしや動作だけでも十分です。
動画を見るだけにしないための声かけ
声かけは、単語の意味を一方的に説明するより、子どもが見つけたり答えたりできる形にします。
| 目的 | 声かけの例 |
|---|---|
| 見つける | 「Where is the cat?」 |
| 選ぶ | 「Is it a dog or a cat?」 |
| まねする | 「Say cat.」 |
| 動作と結び付ける | 「Jump」「Clap」など、言葉に合わせて動く |
| 思い出す | 動画を止めて「What is this?」と尋ねる |
英語での声かけが難しい場合は、日本語で意味を確認してから英単語を聞かせてもかまいません。大切なのは、子どもが単語を聞くだけで終わらず、意味を考えたり反応したりすることです。
単語を覚えたかどうかの確認方法
確認するときは、単語を言わせることだけを基準にしません。まず意味が分かっているかを、指さしや動作で確かめます。
- 絵や実物を見せると、該当するものを指させる
- 英語の指示に合わせて動ける
- 動画の場面で、単語が出たときに反応する
- 保護者の発音をまねできる
- 別の場面でも単語を使おうとする
たとえば「jump」を覚えたか確認する場合、単語を日本語に訳させる必要はありません。「Jump」と言って実際に跳べるなら、少なくともその音と動作の意味が結び付いていると考えられます。
一度言えた単語でも、日を変えると忘れることがあります。すぐに覚えられないことを失敗と考えず、動画、遊び、生活場面で何度も出会わせます。
年齢や英語経験に合わせた進め方
年齢だけでなく、英語を聞いた経験や集中できる時間によって方法を変えます。
英語に初めて触れる子ども
まずは内容を理解しやすい歌、動作、絵が中心の動画から始めます。発音を正確に言わせるより、音を聞いて動く、指さす、まねをするといった反応を重視します。
簡単な英語を知っている子ども
同じ動画を繰り返し見た後、動画に出てきた単語を使う質問を加えます。たとえば、色の動画を見た後に、家の中で同じ色の物を探してもらいます。
英語の会話に慣れている子ども
単語だけでなく、動画に出てきたフレーズを使わせます。「I like dogs.」「It is red.」のように、単語を文の中で使う練習へ進めます。
続けるために気をつけたいこと
英語動画は、長く見せればよいわけではありません。子どもが集中できる長さで区切り、視聴後に遊びや会話へつなげるほうが、単語を使う機会を作りやすくなります。
- 学習させる単語を毎回増やしすぎない
- 理解できない動画を何度も無理に見せない
- 発音や正解を繰り返し訂正しすぎない
- 視聴中の広告やおすすめ動画を保護者が確認する
- 寝る前や食事中など、家庭のルールに合う時間に利用する
子どもが動画を楽しめていない場合は、別のテーマや難易度に変えます。動画配信サービスを選ぶときは、作品数だけでなく、子ども向け設定、字幕や音声の切り替え、保護者による視聴管理の有無も確認するとよいでしょう。
英語動画配信で単語を習得するポイント
最初に行うことは、子どもが興味を持つ短い動画を1本選び、そこから扱う単語を少数に絞ることです。その後、動画を繰り返し見て、指さし、動作、まね、会話で単語を使わせます。
「見る」「聞く」「意味を確かめる」「自分で使う」を繰り返せば、動画視聴を単語との出会いだけで終わらせず、理解と使用につなげられます。







