子どもの英語動画学習の目標は、「動画を何分見るか」だけでなく、動画を見たあとに何ができるようになるかで設定します。年齢や英語経験に合わせて、聞き取る・まねして言う・意味を理解する・使ってみる、という順に小さな目標へ分けると続けやすくなります。
子どもの英語動画学習は「見た時間」より「できること」を目標にする
「毎日20分見る」という目標は、学習の習慣を作るには役立ちます。一方で、視聴時間だけでは、英語を理解できるようになったか、使えるようになったかまでは判断できません。
そのため、次の2種類を組み合わせるのがおすすめです。
- 行動目標:週に何回、どのくらい動画を見るか
- 到達目標:動画の中の表現を聞き取る、まねして言う、場面に合わせて使うなど、できるようになること
たとえば、「週4回動画を見る」という行動目標に、「見終わったあとに好きな食べ物を英語で1つ言う」という到達目標を組み合わせます。
最初に決めるべき目標は3つ
目標を作るときは、目的・頻度・確認方法の3つを決めます。最初から多くの表現を覚えようとせず、1回の学習で扱う内容を絞ることが大切です。
1. 何のために英語動画を見るか
まず、動画学習の目的を1つ選びます。目的によって、見る動画や確認する内容が変わるためです。
- 英語の音やリズムに慣れる
- 簡単な単語や表現を聞き取る
- 聞いた英語をまねして発音する
- 身近な場面の表現を使えるようにする
- 英語への苦手意識を減らす
たとえば、英語を始めたばかりの子どもなら、「内容をすべて理解する」よりも、「あいさつの表現を聞いてまねする」といった目標のほうが取り組みやすいでしょう。
2. どのくらいの頻度で見るか
頻度は、子どもの生活に無理なく組み込める範囲で決めます。毎日でなければ効果がないと考える必要はありません。
「平日に10分見る」「週末に同じ動画を2回見る」のように、家庭で実行しやすい形にします。時間を長くするより、同じ表現に何度も触れられる計画にすることが重要です。
3. できるようになったかをどう確認するか
確認方法は、テストのように厳しくする必要はありません。動画を見たあとに、次のような行動ができるかを見ます。
- 聞こえた単語を指させる
- 登場人物のせりふをまねできる
- 動画の場面に合う絵や物を選べる
- 簡単な質問に単語や短い表現で答えられる
- 日常生活の中で表現を使おうとする
子どもが自分から英語を言わない場合でも、聞いて反応する、動作で示す、場面を理解するなどの変化があれば、学習の進み具合を判断する材料になります。
年齢や英語経験に合わせた目標設定
同じ英語動画でも、幼児と小学生では目標の置き方が異なります。年齢だけでなく、英語に触れてきた量や、動画の内容を理解する力も考慮します。
| 子どもの状態 | 向いている目標 | 確認するポイント |
|---|---|---|
| 英語に初めて触れる | 英語の音やリズムを楽しむ | 動画を嫌がらずに見られるか、音や動きに反応するか |
| 簡単な単語を知っている | 身近な単語を聞き分ける | 色、動物、食べ物などを指させるか |
| 短い表現をまねできる | 動画の表現を声に出して言う | あいさつや短いせりふをまねできるか |
| 簡単な会話を理解できる | 動画の表現を生活の場面で使う | 質問への返答や自発的な発話があるか |
表の段階は目安です。子どもによって進み方は異なるため、年齢だけで目標を決めず、現在できることから一段階上の内容を選びます。
子どもの英語動画学習で使える目標例
目標は、「英語ができるようになる」のように広く設定するより、期間と行動を入れて具体化します。
聞き取りを目標にする場合
- 1週間、同じ動画を3回見て、知っている単語を3つ見つける
- 動画に出てくる色を2つ聞き分ける
- 動物の名前を聞いたら、その絵を指さす
発音や発話を目標にする場合
- 動画のあいさつを1つまねして言う
- 毎回1つのせりふを選び、登場人物と同じように言う
- 動画に出てきた食べ物や動物の名前を、絵を見ながら言う
理解を目標にする場合
- 動画の内容を日本語や動作で説明する
- 登場人物が何をしているか、絵を選んで示す
- 動画の順番に合わせて、場面の絵を並べる
習慣化を目標にする場合
- 週3回、決めた時間に動画を見る
- 1回の視聴で1本または決めた範囲までにする
- 見た動画と、できたことをカレンダーに記録する
目標は、子どもが自分で達成できたと分かる大きさにします。「単語を30個覚える」より、「今週は動画の中の単語を3つ言えるようにする」のほうが、達成状況を確認しやすくなります。
動画を見る前後で学習内容を分ける
動画を再生して終わりにせず、見る前後に短い活動を加えると、目標と学習内容が結びつきます。長い勉強にする必要はありません。
- 見る前:今回注目する単語や表現を1〜3個選ぶ。
- 見ている間:音や動きを楽しみながら、選んだ表現が出てくる場面を探す。
- 見たあと:表現をまねする、絵を指す、動作で表すなど、1つの活動を行う。
- 次回:前回の表現を思い出してから、新しい表現を1つ加える。
たとえば、「Stand up」という表現を目標にした場合、動画を見る前に意味を動作で確認し、視聴中に聞こえたら立ち、視聴後に親子で表現を言いながら動作をします。
同じ動画を繰り返し見るときの目標の変え方
同じ動画は、毎回同じ見方をする必要はありません。繰り返し見る場合は、回数ごとに注目点を変えます。
| 視聴の段階 | 目標 |
|---|---|
| 1回目 | 映像や音を楽しみ、大まかな内容をつかむ |
| 2回目 | 注目する単語や表現を聞き取る |
| 3回目 | せりふや歌の一部をまねする |
| その後 | 動画の表現を遊びや日常生活で使ってみる |
繰り返しによって、最初は聞き取れなかった表現に気づけることがあります。ただし、子どもが飽きている場合は、同じ動画にこだわらず、別の活動へ切り替えます。
目標が高すぎるときに見直すポイント
動画学習が続かない場合、子どものやる気だけが原因とは限りません。動画の難しさ、視聴時間、目標の大きさが合っていない可能性があります。
- 動画の英語が長すぎたり速すぎたりしないか
- 1回に覚えようとする単語や表現が多すぎないか
- 視聴後に毎回テストをして負担になっていないか
- 子どもが興味を持てる登場人物やテーマか
- 「話す」だけを評価し、聞く・理解する反応を見落としていないか
目標を達成できないときは、期間を延ばす、扱う表現を減らす、聞き取りからまねに変更するなど、1段階下げて調整します。できたことを確認してから、次の目標を加えるのが基本です。
家庭で記録するときは結果を簡単に残す
記録は、詳しい学習日誌でなくても構いません。日付、見た動画、できたことを短く残すだけで、目標の見直しに使えます。
たとえば、次のように記録します。
- 動画:動物の動画
- 注目した表現:I like 〜.
- できたこと:動物の名前を2つまねできた
- 次の目標:好きな動物を1つ選んで言う
保護者が記録をもとに評価しすぎるのではなく、「今日はこの言葉が聞こえたね」と学習の変化を一緒に確認することが大切です。
子どもの英語動画学習の目標は小さく具体的に設定する
子どもの英語動画学習では、まず「何の力を伸ばすか」を決め、そのうえで視聴頻度と確認方法を設定します。目標は、「週3回見る」「動画の単語を3つ聞き分ける」「せりふを1つまねする」のように、行動とできることを組み合わせると判断しやすくなります。
最初に行うことは、子どもが無理なく見られる動画を1本選び、1週間で注目する表現を1〜3個に絞ることです。達成できたら、表現の数や使う場面を少しずつ増やします。







