英語動画の内容を子どもが理解できないのはなぜ?

英語動画の内容を子どもが理解できないのはなぜ?

子どもが英語動画の内容を理解できないのは、単に英語力が足りないからとは限りません。単語や文法の知識、音の聞き取り、動画の速さ、内容への予備知識、集中しやすさなどが重なって、聞いた英語を意味に結び付けにくくなっている可能性があります。

まずは「英語を聞き取れていない」のか、「聞き取れているが意味が分からない」のかを分けて考えると、必要な対策を選びやすくなります。

英語動画の内容を理解できない主な理由

単語や表現を知らない

動画の中に知らない単語が多いと、音を聞き取れても内容を理解できません。特に子ども向け動画では、日常会話だけでなく、動物の名前、感情を表す言葉、物語特有の表現なども使われます。

一つの文に知らない言葉がいくつもある場合は、動画のレベルが子どもに合っていない可能性があります。すべての単語を覚えさせるのではなく、繰り返し登場する言葉や、内容を理解するために重要な言葉から確認します。

知っている単語でも、音として聞き取れない

英語は、単語を一つずつ区切って発音するとは限りません。複数の単語がつながったり、弱く発音されたりするため、文字で見れば知っている表現でも、動画では別の音に聞こえることがあります。

たとえば、短い会話を聞いて「知っている単語が出てこない」と感じる場合は、語彙不足よりも、英語の音のつながりやリズムに慣れていないことが原因かもしれません。

話す速さや情報量についていけない

動画は、音声教材のように学習者のためにゆっくり話してくれるとは限りません。話す速さが速いだけでなく、会話、効果音、歌、画面の動きが同時に入るため、子どもが処理する情報量も増えます。

一文を聞き終わる前に次の文が始まる動画では、単語を知っていても内容の流れを追えないことがあります。

動画の内容に関する知識が少ない

英語を理解するには、言葉の知識だけでなく、何について話しているかという背景知識も役立ちます。たとえば、動物の暮らしや学校行事を知らない状態では、日本語で説明されても分かりにくい内容を英語で理解するのはさらに難しくなります。

映像を見ても状況が分からない場合は、英語の問題だけでなく、内容そのものが子どもにとって難しい可能性があります。

字幕や映像に注意が分散している

英語音声、英語字幕、日本語字幕、キャラクターの動きなどを同時に追うと、どれを見ればよいか分からなくなる子どももいます。字幕があれば必ず理解しやすくなるわけではありません。

特に読む力が発達途中の子どもは、字幕を読むことに集中して映像を見られなかったり、字幕を読んでいる間に次の場面へ進んだりします。

興味や集中できる時間と合っていない

英語が分からないというより、動画のテーマに興味を持てず、内容に注意を向け続けられない場合もあります。長い動画や展開が少ない動画は、英語に慣れている子どもでも集中が続かないことがあります。

動画の後に日本語で聞いても内容を説明できないなら、英語だけでなく、動画の内容や長さが合っているかも見直します。

「聞き取れない」と「意味が分からない」を分けて確認する

子どもがどこでつまずいているかを確認するには、動画を見た後に短く質問します。答えられない理由によって、対策が変わります。

子どもの様子 考えられるつまずき 確認方法
音声を聞いても知っている単語を挙げられない 音の聞き取り、話す速さ 短い一文を止めて、聞こえた音を聞く
単語は言えるが、話の流れを説明できない 文の意味、内容のつながり 「誰が何をしたか」を日本語で尋ねる
映像を見れば内容を説明できる 英語の聞き取り 音声を隠した状態で場面を説明できるか確認する
日本語で見ても内容が分からない テーマや展開そのものの難しさ 動画の長さや対象年齢、テーマを見直す
好きな場面だけは理解できる 興味や集中の向き方 その場面を使って短く学習する

確認するときは、動画全体について細かく質問する必要はありません。「誰が出てきた?」「何を探していた?」「最後にどうなった?」のような簡単な質問で十分です。

子どもが理解しやすくする方法

最初は短く、内容が予測できる動画を選ぶ

初めから長い物語や会話の多い動画を使うより、短い歌、定型表現が繰り返される動画、映像だけでも状況を想像しやすい動画のほうが内容を追いやすくなります。

選ぶときは、次の点を確認します。

  • 子どもがテーマに興味を持っている
  • 同じ単語や表現が何度も出てくる
  • 映像だけでも登場人物の行動が分かる
  • 話す速さが速すぎない
  • 一度に見る時間が長すぎない

見る前に日本語で内容を少し予告する

動画を見る前に、「今日は動物が食べ物を探す話だよ」のように、テーマを短く伝えます。先に場面を想像できると、子どもは聞こえた英語を内容と結び付けやすくなります。

ただし、動画の内容をすべて日本語で説明すると、英語を聞く必要がなくなることがあります。予告は登場人物や場面の紹介など、理解を助ける範囲にとどめます。

同じ動画を何度か見て、目的を変える

1回目からすべて理解させようとせず、見る目的を分けます。たとえば、1回目は話の大まかな内容、2回目は繰り返し出る表現、3回目は登場人物の行動に注目します。

  1. 映像を見ながら、誰が何をしているかを大まかに確認する。
  2. 繰り返し出てくる英語の表現を一つか二つ聞き取る。
  3. 必要なら短い場面だけを止めて、音声をまねして言ってみる。
  4. 最後に、日本語または簡単な英語で動画の内容を説明する。

同じ動画を使う場合でも、毎回すべてを理解させる必要はありません。少しずつ聞き取れる部分が増えているかを見ます。

字幕は子どもの段階に合わせて使う

字幕を使うかどうかは、子どもの年齢だけでなく、読む力や動画の難しさで判断します。字幕なしで場面を理解できない場合は、まず映像と音声を短く確認し、その後に日本語字幕や英語字幕を補助的に使います。

英語字幕を使う場合は、すべてを読ませるのではなく、聞こえた表現と文字を結び付けるために利用します。字幕を読むことに集中しすぎるなら、字幕を表示する場面を限定する方法もあります。

分からない単語をすべて調べない

動画を止めるたびに単語を説明すると、話の流れや楽しさが失われます。まずは、理解に必要な言葉と、何度も出てくる言葉を優先します。

一度見終わった後に、子どもが気になった言葉を一つだけ取り上げる方法なら、負担を抑えながら語彙を増やせます。

動画が難しすぎるか判断する目安

動画の難しさは、再生時間や英語の長さだけで決まりません。子どもが見終わった後に、映像の助けを借りても内容をほとんど説明できず、知っている表現も聞き取れない状態なら、今の段階では難しすぎる可能性があります。

一方で、細かな英語は分からなくても、登場人物や大まかな出来事を説明できるなら、動画を短い場面に分けて使えることがあります。完璧な訳ではなく、内容の大筋を理解できているかを基準にします。

難しいと感じたときは、次の順番で調整します。

  1. 動画の再生時間を短くする。
  2. 同じ場面を繰り返す。
  3. 話す速さや表現がやさしい動画に変える。
  4. 見る前にテーマや登場人物を簡単に説明する。
  5. それでも難しければ、少し期間を置いてから再び見る。

理解できない状態が続くときの考え方

英語動画の内容を理解できないからといって、すぐに子どもの英語学習全体に問題があると判断する必要はありません。動画には、音声だけでなく、速さ、語彙、背景知識、映像の情報など複数の負荷があります。

まずは、子どもが興味を持てる短い動画で、知っている表現を聞き取れるかを確認します。特定の動画だけが難しいのか、やさしい会話でも聞き取りにくいのかによって、見直すポイントは異なります。

なお、英語に限らず音声全般が聞き取りにくそうな場合や、日本語の会話でも理解しづらさが続く場合は、動画の選び方だけでは判断できません。家庭だけで原因を決めつけず、必要に応じて学校や専門機関などに相談します。

まとめ

英語動画の内容を子どもが理解できない主な理由は、単語や文法だけでなく、英語の音、話す速さ、動画の情報量、背景知識、集中しやすさなどにあります。

最初に、子どもが「音を聞き取れていない」のか、「聞き取れても意味が分からない」のかを確認してください。そのうえで、短くて興味のある動画を選び、見る目的を分けながら繰り返すと、必要な対策を判断しやすくなります。